Q.

生成AIに他社の情報を入力することは可能ですか?

関連タグ
営業秘密(不正競争防止法)守秘義務(民法等)知的財産権(一般)生成AI一般
A.

結論としては、他社情報に「どんな権利・義務が付いているか」で扱いが変わります。まずは次の2点を整理します。

他社情報に付着する「権利・義務」を確認する

  • 守秘義務:NDA(秘密保持契約)や取引契約、委託契約等により「第三者に開示しない」義務があるか
  • 知的財産権:著作権、営業秘密、特許ノウハウ、データベース等の権利が付いているか

例えば、OpenAIの規約上も、入力する側が「必要な権利・許諾を持っていること」が前提です。個人向け利用規約では、入力に必要な権利・ライセンス・許諾を得ていることを表明保証するとされています。 法人向けでも同様に、入力に必要な権利・ライセンス・許諾を持つことが顧客の義務として明記されています。

守秘義務がある情報は、原則「入力しない」

他社との契約で守秘義務を負っている情報は、たとえ生成AIサービス提供者が秘密保持義務を負う(法人プラン等)場合でも、契約上「第三者への開示」に当たり得るため、原則として入力できません。

例外は、その契約で「生成AIサービスへの提供」が明確に許されている場合などに限られます。契約文言例としては次のような文言が考えられます。

甲及び乙は、相手方に提供する情報を別紙が定める条件に適合する場合に限り、別紙記載の生成AIサービスへの入力情報として取り扱うことができる。ただし、当該入力情報により得られた出力についてもまた、本契約に定める秘密情報として取り扱うものとする。

知的財産権が付いている情報は、侵害リスクに注意

他社の著作物(文章・資料・図表・マニュアル等)をそのまま入力して処理させることは、利用態様によっては著作権侵害等の問題になり得るため慎重な運用が必要です。
日本法には著作権法30条の4等の「柔軟な権利制限」など例外が議論されていますが、どこまで許されるかは目的・方法次第で、一般に“何でもOK”ではありません。

特に、入力した知的財産権が付着している画像等と類似する出力を求めている場合などは、権利侵害に該当する可能性が高まります。

公開情報・一般情報は、通常は入力可能なことが多い

すでに公開されていて守秘義務もなく、権利処理上も問題がない範囲の一般情報(公開資料、一般的な制度説明など)は通常、入力できるケースが多いです。
ただし、公開されていても利用条件(転載禁止、利用規約、ライセンス)が付いている場合は別途確認が必要です。
例えば、ニュース記事、第三者の論文、声優の音声などは一般公開されてはいますが、上記の知的財産権に関連していることが多く、慎重な検討が必要となります。
また、公開情報であっても、個人情報を含む場合は別途配慮が必要となるため、権利が付着している情報として取り扱いには慎重な検討を要します。

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