社員の声で作ったAIナレーションが、プロのナレーターの声に似ていた。権利侵害になる?
社員の声をもとに作ったAIナレーションが、有名ではないナレーターの声とたまたま似ていたとしても、不正競争防止法違反やパブリシティ権侵害にはなりにくいと考えられます。判断で重要なのは、声紋の一致よりも、一般の人がその声を聞いて特定のナレーターを連想するかどうかです。
声の権利で問題になる法律
ナレーターの声の権利については、主に不正競争防止法とパブリシティ権の2つが問題となります。いずれも、声の周知性や、その声が持つ顧客吸引力、つまり「そのナレーターの声だからこそ商品やサービスが魅力的になる」といった要素を重視しています。
その意味では、社員の声をもとに作ったAIナレーションが、有名ではないナレーターの声とたまたま似ていたとしても、不正競争防止法違反やパブリシティ権侵害にはなりにくいと考えられます。
声紋で判断されるのか
声紋が証拠として用いられることもあり得ますが、重要なのは、一般の人がその声を聞いたときに、特定のナレーターやその出演作品を連想するかどうかという点です。なお、声は肖像や氏名に比べて人物を識別させる力が弱いとされており、声が似ているだけでなく、ナレーターの名前を示すなど、本人を想起させる情報が付加されているかどうかも重要な判断要素となります。
有名人の肖像や声をAIで無断利用した場合の責任はこちらのQ&Aで解説しています。AI音声を使った動画制作の確認は、tAiL.法律事務所(サービス一覧)までご相談ください。
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※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。/出典:法務省「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」資料、不正競争防止法(e-Gov法令検索)/執筆:弁護士 原智輝(福岡県弁護士会)/tAiL.法律事務所代表