AIの生成画像が偶然、既存のキャラクターや作品に似てしまった。著作権侵害になる?
人が作品を作る場合、他人の作品と偶然似てしまっても著作権侵害にはならないのが原則です。ただし、生成AIの場合は事情が異なり、「偶然の一致」としては扱われにくいという特徴があります。そのため実務上は、既存作品とどの程度似ているかが判断の中心になります。
偶然の一致は、原則として著作権侵害にならない
著作権は、特許権などと異なり登録を要せずに発生する権利(無方式主義)であり、他人の作品と偶然似てしまった場合には、著作権侵害とはなりません。
著作権侵害が成立するには、①既存の著作物に接し、それに基づいて作品を作成したこと(依拠性)と、②既存の著作物の創作的表現と似ていること(類似性)の両方が必要とされています。偶然の一致は、このうち依拠性が否定されることで侵害の対象から外れる、という整理です。
生成AIでは「偶然」と扱われにくい
もっとも、文化庁「AIと著作権に関する考え方について」では、AI利用者が既存の著作物を認識していなかった場合でも、その著作物がAIの学習データに含まれていたときは、通常、依拠性があったと推認されるとしています。つまり、生成AIの場合は「人間同士で偶然似てしまった」ケースとは扱われず、原則として他人の著作物を参照したものとして考えることになります。
判断の中心は「類似性」
そのため、実務上は残る類似性が判断の中心となり、類似性が認められれば、著作権者による権利行使が可能となります。出力結果を使用するかどうかは、依拠性と類似性が認定されるかどうかを踏まえて総合的に判断することになります。
類似性がどこから認められるかの境界線についてはこちらのQ&Aでも解説しています。生成物を使ってよいか迷う場面があれば、tAiL.法律事務所(サービス一覧)までご相談ください。
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※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。/出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」、著作権法(e-Gov法令検索)/執筆:弁護士 原智輝(福岡県弁護士会)/tAiL.法律事務所代表