Q.
動画生成AIで作った映像、「著作権がないから自由に使える」って本当ですか?
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生成AI一般著作権法
A.
結論:「自分に著作権がない」ことと「自由に使える」ことはまったく別の話です
① まず「二次創作」の著作権構造を理解しましょう
著作権法では、既存の著作物をもとに創作したものを「二次的著作物」と呼びます。二次的著作物には、新たに付け加えた創作部分について創作者自身の著作権が発生します。しかし同時に、元の著作物(原著作物)の著作者の権利も生きたままです。
つまり二次創作とは、原著作権の上に自分の著作権が重なった「二重構造」の状態です。この構造において、原著作者の許諾なく二次創作物を作成・利用すれば、原著作権の侵害になります。
② 生成AIの場合、自分に権利すら生まれないことがある
一般的な二次創作であれば、少なくとも自分の創作部分には権利が発生します。しかし生成AIを使った場合、文化庁の見解では「人の創作的関与」がなければ著作物性が認められません。
プロンプトを入力してボタンを押しただけ、という場合、生成物に自分の著作権は認められない可能性があります。
その結果どうなるか。元素材の著作権は侵害している可能性がある一方、自分には何の権利も発生していない、という「リスクだけを負う状態」になりえます。
③ 「自分の権利があるか」と「他人の権利を侵害していないか」は別の問題
よくある誤解が「生成AIの出力物には著作権がないから自由に使える」というものです。しかしこれは二つの問題を混同しています。
「自分に著作権が認められるか」という問題と、「他人の著作権を侵害していないか」という問題は、独立した別軸の話です。どちらか一方が解決されても、もう一方が自動的に解決されるわけではありません。両方が同時に問題になりうる点に注意が必要です。
現在の議論の多くは前者(自分の権利が認められるか)に集中しがちですが、後者(元素材への侵害)は前者の議論とは無関係に成立します。「著作権がない=誰も傷つけていない」ではなく、「著作権がない=侵害しているだけで自分には何も残らない」という最悪の状態もありえるのです。